とうとう、書評のコーナーが20回を迎えました。
クリニックのホームページなのだか、本屋のホームページなのだかわからなくなってきました。
閑話休題。
池上彰と佐藤優の対談形式ということで、題名も見ずに購入しました。池上氏は皆さんTVでご存知かとおもいますが、佐藤氏はTVには殆ど出てこないので、知らない人も多いのでは。実は元外務省主任分析官で対ロシアの専門家。本屋をウロウロしていると、世界情勢を扱うコーナーには必ずこの人の本が並んでいます。しかもかなり沢山。
そんな訳で読み始めたのですが、トークのメインは佐藤氏。池上氏は所々でコメントを足す程度です。民族と宗教問題を軸に、題材はチベットやスコットランド、そしてウクライナからイスラム国そして北朝鮮と中国まで幅広く扱っております。イスラム国のあたりは池上氏も頑張って喋っておりましたが、ロシア・中国・北朝鮮といった社会共産主義国家の情報となると、佐藤氏の独擅場でありました。
基本的に対談集なので、一つ一つのテーマを深く掘り下げはしません。ころころ話題は変わります。テレビや新聞で見知った題材を、違う切り口で解説してくれます。中東問題は、政治ではなくイスラム教の派閥から解説、シーア派とスンニ派の発生の所から始めてくれます。スコットランド独立の住民投票は、英国という国の成り立ちから始めます。そして、情報の取り方から整理方法まで。
題名は堅いのですが、中身はかなりお気楽です。戦争・紛争を起こしている国を題材にお茶を飲みながら雑談している、そんな感じの1冊です。でも、詰まっている情報量が多いので、2回読まないと自分の知識にはなりません。