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2014年10月15日 - 書評のコーナー ~その17~

センセーショナルなタイトルが目を引きます。要は、現代人の食生活は糖質過多であるという内容です。これには強くagreeです。一般的に、肥満体型で肉が大好物という人は余り見かけません。大抵の人は米飯や麺類が好きであったり、別腹で甘味やお菓子が好きであったりします。

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個人的には、昨年からジムに通い始めたのを契機に体脂肪を落として効率的な筋力アップを図るため、「ハーパーの生化学」と云う教科書を読んで三大栄養素といわれる炭水化物・蛋白質・脂質の代謝を勉強しておりました。するとどうも炭水化物が不必要な気がしてならなかったのです。炭水化物は速やかにブドウ糖になってエネルギーに変換されるものの余った分は脂肪になってストックされてしまうのです。その一方、蛋白質はエネルギーのストックのためには非常に効率の悪い栄養素であるとも書かれておりました。事実、トレーニング直後には糖質ではなく蛋白質を摂取しないと新たな筋肉の合成は期待できないのです。残念ながら脂質の吸収と代謝は良く解らなかったので摂りすぎたら下痢になって出てゆくのだろう位に思っております。あくまでも個人的な意見ですが。しかし2ヶ月でウン十万もする某有名トレーニングジムの食事療法も高蛋白・低炭水化物が基本になっていることを考えると強ち間違った方向でもないのではないかと思います。

さて、この本は最初は著者の個人的な体験記ではじまり、中盤は健康食品の宣伝によくある利用者からの体験記で紙面を水増しされております。そして後半は更に紙面の水増しを図るためか、他の書籍からの引用が目立ちます。医学論文で専門分野以外の医者がreviewを書いたらこうなりますよの見本みたいな文体です。前半に比べると熱意と説得力が見劣りします。

それでも、茶碗一杯の米粒を換算すると角砂糖14個分そしてコーラ590mlは角砂糖17個分であるというくだりは、たまたま本を手に取って読んだ人にも、明日から少し炭水化物を減らそうかなという気にさせます。

後半はdullですけれども、前半は割と面白く読めます。大事なところは、この本は教科書でも論文でもなく、あくまでも健康法を紹介した読み物でありますので、慢性疾患を持っている人への試行は全くお勧めできません。基礎疾患のない単純肥満の人はお金もかかりませんし試しに1-2週間やってみても良いのではないのでしょうか。