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2014年6月4日 - 書評のコーナー ~その13~

半沢直樹以来、池井戸潤ばかり攻めています。そんな訳で、今テレビで放映中のルーズヴェルト・ゲームを読んでみました。講評を一言で言うと、テレビの方が上手にできています。それなりに見せ場も設けられておりますし。

51pGRgTSHfL._AA300_[1]以前、このコラムで半沢直樹はサラリーマンのファンタジー小説であると書きましたが、この小説は全く違います。何が違うって、主人公が社長ですよ。社長が取引先の生産調整から資金難に陥り銀行に頭下げたり、吸収合併が大前提のM&Aに悩んだり、総会で株主に吊し上げられたり。サラリーマンから見たら、そんなの知ったこっちゃないという事件で話は転がってゆきます。自己投影は困難でしょう。そこに野球を絡めて、社長ではない人でも何とか読めるように仕上げております。

何故ドラマ化したのか理解に苦しむ一品です。沈まぬ太陽と半沢直樹を足して2で割ったような感じにしたかったのでしょうが、上手く行きませんでした。

少し残念な一作でした。