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2014年3月11日 - 書評のコーナー ~その11~

映画になるとのことなので、今回は「神様のカルテ2」を読んでみました。

これは、読者の立場によってかなり読後感が違うと思います。医者が読んだ場合、その奥さんが読んだ場合、看護師が読んだ場合そしてこの業界以外の市井の人々が読んだ場合。自分が重ねる登場人物によって捉え方が違います。

著者の夏川草介氏は長野県の現役の消化器内科医です。仕事の傍ら小説を書いているのだそうで。

今回は、マスコミも含めてタブー視してきた医師の過重労働についての話です。30時間連続労働が普通の日常で、上司に無理を言って漸くもらった休みが土日の2日間。この休みを宝物のようにして大事に過ごすところから話は始まります。もう、この辺りで泣きそうになります。

内容は、救急病院における病棟業務の凄惨な実態が赤裸々に綴られております。1作目とはインパクトが違います。救急病院で働く医師の叫びが聞こえます。他人事ではありません。同僚に迷惑がかかるからと有給休暇はとれず、夜間・休日の呼び出しは当たり前。逆に来ないとなじられる。医療のブラックな側面を書いてくれております。実際、著者の夏川草介氏は「よくぞ書いてくれた。ありがとう。」と上司に云われたそうです。

当直室に是非置いていただきたい一冊です。連続労働が30時間を超えた時の心の支えになります。

久々に、納得の一冊でした。