さて、お待たせしました、漸くピロリ菌の除菌のお話です。
今迄勿体ぶった話をしてきましたが、除菌は極めてシンプル。
2種類の抗生物質と胃薬を、1日2回(朝・夕)7日間内服するだけです。
副作用は、下痢・軟便(30%)、味覚異常(5%)ぐらいです。
気になる除菌成功率ですが、抗生物質の乱用が祟ってか、近年では70-80%といったところです。それも作法通りに治療してのお話です。薬の飲み合わせやタイミングを考えずに適当に内服すると除菌率はさらに下がります。
そして、ここが一番痛いところですが、
全員が除菌治療を受けられるわけではないのです。
「テレビでやっていたから、気になるので検査してほしい。」
これ、ダメなんです。
胃カメラなどで、「胃潰瘍あるいは十二指腸潰瘍が発見された人に限り、ピロリ菌の検査・治療をしても宜しい」とされているのです。
したがって、
「テレビでやっていたので、調べてほしい」や
「ドックで見つかったので治療してほしい」は、NGなのです。
自費での治療ならば、保険を使わないので可能です。しかし、若干値が張ります。詳しくは「クリニックからのお知らせ」を参照して下さい。
何やらへんてこなルールなのですが、ピロリ菌に関しては健康保険の適応がかなり厳しいのが日本の現状なのです。
それでも、最近では徐々に除菌適応疾患が増えてきていますが、普通の慢性胃炎が除菌対象になる日は遠い将来かと思います。
以上、脱ピロリ菌でした。
次回は、おまけでピロリ菌Q &Aの予定です