理数嫌いの人は一瞬心が折れそうになるグラフですが、踏ん張ってください。
これは横軸に年齢、そして縦軸に感染率を示した国別のグラフです(これまた20年ほど昔の資料です)。インドや象牙海岸(こんな国あったんだ)などの後進国は若い人から高齢者まで全年代にわたって感染率が高いのですが、逆にイギリスやフランスは全年代で感染率は低くなっています。
では日本はと言いますと、赤い線なのですが、高齢者は後進国並み、若い人は先進国並みとなっています。
20年ほど前の資料なので、頭の中でグラフを右に20年ほどずらして勘案してみると、戦前戦後の水事情が大いに関係している事が推測されます。ピロリ感染は水系感染なので、上下水道が整備されると感染率がぐっと低下します。ペルーでは井戸水からピロリ菌を検出したという報告もありますし、日本は戦後に上下水道の整備が進んだため感染率が下がったものと思われます。
従って、今の若い人たちのピロリ感染率はかなり低下しているものと思われます。良かったですね。
さて、次回以降はピロリ菌が具体的にどんな悪さをしているのか説明してゆきます。