実はわたくし、温泉ソムリエなのです。ソムリエと言っても温泉を飲んでその成分を当てるという訳ではなく、温泉についてひとくさりの蘊蓄を披露できますよというものです。取得難易度は全然高くはないのですが、わざわざ取得する人も少ないので結構珍しがられます。待合室に温泉ソムリエの免状を置いているせいで、「おすすめの温泉は?」とかよく訊かれます。この講座で、温泉の定義や効能等々、少しずつ蘊蓄を披露しようかと思います。
第1回は、「奥津温泉」です。岡山と鳥取の県境にある少しマニアックな温泉です。
温泉というと、湯船の端に吐水口がついていてそこからジョボジョボとお湯が出ているイメージがあるのですが、「奥津荘」はなんと湯船の下からお湯が沸いているのです。吉井川の河原に沸いていた源泉の上に湯船を作ったわけで、源泉かけ流しどころか源泉そのものに浸かる温泉です。しかも奇跡的に湯温が42℃。もちろん加水なし加温なし。泉質はアルカリ性単純泉。肌がすべすべになるいわゆる美人の湯です。しかも、低張性ですので湯あたりもしにくいのです。申し分なし。
ただ、周りには湯原温泉・湯郷温泉・三朝温泉と超有名どころの温泉が点在していて、温泉街すらない一番マニアックな温泉地にわざわざ行こうという気が起きないのですが、そこがまた良いところでほとんど混雑しません。でも、美作三湯の一つに入っております。
関西の有名温泉は行き尽くしたという人向けの温泉です。