サクッとわかるビジネス教養 地政学
ロシアによるウクライナ侵攻や北方領土の不法占拠、中国による南シナ海の一方的な現状変更や尖閣諸島周辺への侵入。領土問題は軍事戦略と絡んで複雑な思惑が絡むうえに、アメリカが手を出したりひっこめたりするのでさらにややこしくなってきております。
一方、テレビではコメンテーターがしたり顔で国際政治について語っておりますが、専門でもないのにあれこれ感想を述べてステレオタイプの回答を囀っているさまはもはや滑稽と言うよりほかはありません。先日までコロナについて熱く語っていたのに節操のない話です。
さて、本書は地政学の本です。でもほぼ挿絵で、文字は極めて少ないです。
地理的な特徴を踏まえたうえでの日本のありかたやヨーロッパの安全保障、なぜアメリカは世界中に基地を有しているかなどなど解説してくれております。2年前の本なのですが、タイムリーにロシアのことについても紙面を大きく割いております。これによると、地政学的にはロシアは北方領土を返還する気は1ミリもないことがよく解ります。北海道の主権を主張したりしておりますが、もしかしたら本気で言っているのかもとも思う位です。
その他にも、イランやイラクの不仲についてや、パレスチナとイスラエルの不仲(これに関してはイギリスが徹底的に悪いのですが)。西アジアにおけるトルコの微妙な立ち位置などについても書かれております。
1時間少しで読破できます。新幹線で読んだら静岡辺りで読み切ってしまう位です。
ビジネス教養と書いておりますが、中高生向けのレベルです。