早期発見の難しい癌の代表格がすい臓がんです。胃や大腸の癌は早期で見つかることも多くありますが、ことすい臓がんに限っては、約半分の方で発見された時点ですでにもう手術のできないStageIVになっているのです。
StageIVになってしまうと5年生存率は10%を割り込みます。しかし、もし早期のStageIで見つかったとすると6割は助かります。さらに運よくStage0で見つかった場合85.8%は5年後もご存命です。こうなると他の部位の癌腫と比べても遜色ない数字です。
即ち、すい臓がんの攻略には早期発見が一番大事であると言えます。しかしながらすい臓がんの早期発見は手間がかかります。片っ端から検査をしていたのでは医療資源が枯渇してしまいます。
そこで、複数の危険因子を有しているひとを対象に精査をして早期発見につなげようという試みが各地でなされております。
さて、ではその危険因子とは何か。主なものを列記して膵がんリスクの倍率も記載しておきます。複数心当たりのある人は、精査をしますので申し出てください。
①すい臓がんの家族歴 1.7~2.4倍
②遺伝性膵炎(稀です) 53~87倍
③糖尿病 1.94倍
④肥満 1.11倍
⑤慢性膵炎 13.3倍
⑥膵のう胞 3倍
⑦喫煙 1.68倍
⑧大量飲酒 2.21倍
⑨歯周病 1.5~1.7倍