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新着情報 詳細

2019年2月12日 - 書評のコーナー ~その54~

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ハゲタカ

いわゆる経済小説のカテゴリーです。舞台は2001年の日本。米国ファンドであるホライゾン・キャピタル日本法人会長の鷲津が、不良債権や借入金で傾いた日本企業を買い取って再生させてゆく物語です。それほど興味はなかったのですが、続編の「ハゲタカII」には、ペンタゴン経営のためにすっかり傾いてしまった「鈴紡」という会社が出てくるので、まずは「ハゲタカ」から読みだしました。背表紙には、かつての繊維会社の雄「鈴紡」と紹介されていますが、明らかに鐘紡です。私、もともと鐘紡記念病院に勤務しており、一時期、大阪本社の医務室にも毎週行かされておりました。時期的には、カネボウ化粧品が花王に売却される直前です。医務室にはいろいろな人が来ました。定期的に寝に来るシステムエンジニア、絶対顔で採用したと思われる社長秘書。そして本物の社長たち。子会社が沢山あるようで、次々と社長さんが医務室に来ました。小説なので脚色はしており、顛末も違うことにはなっているのですが、面白く読めました。

内容的には、ミステリーでもなくサスペンスでもなくエンタメでもなく。延々と企業買収の裏側と権謀術数が書かれているだけです。「ハゲタカII」は伏線回収がままならずいくつか宿題を残した形です。さらなる続編へ持ち越しのようですが、今のところ、続編には食指は動きません。

上下巻の2冊になっておりますが、割とあっさり読めます。