傑作である。 浦沢直樹といえば、「YAWARA!」、「MASTERキートン」、「パイナップルARMY」などで有名な漫画家である。「MONSTER」で訳のわからない領域に行ってしまったと見限り、「21世紀少年」は未読であるが、伏線回収が杜撰で終わり方もバタバタしていたと、いろいろな漫画賞を獲った割には世間の評価は二分である。
個人的には、「MONTER」で説教臭い漫画には食傷気味であったのだが、どうやら一冊読み切りのようなので購入。
だが、読み始めると止まらない。夏の旅行の時間つぶしのために買ったのに、2-3ページ読んで止めるつもりだったのに。うまいラーメンを掻き込む様に、老舗のうな重を掻き込む様に、一気に読了してしまった。
ネタバレになるので詳細は書けないが、我々の世代には、どストライクの登場人物が出現する。こんなキャラ、書いていいのか。反則だろう。しかし一度見てしまうと、もうこの人以外では話が進まない。小ネタの入れ方、会話のテンポ、起承転結のつけ方、どれをとっても申し分なし。伏線回収の手際も見事である。
これだけべた褒めしたのは久々。
もちろん、buyです。